HSP

HSS(刺激追求型)とは

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HSPの種類ではない、HSSとは?

SNSやネット記事等でよく「HSS型HSP」と表現されます。

HSPにはいくつかのタイプがあって「HSS型HSP」は、その中のひとつと認識されているようです。

しかし、HSS(High Sensation Seeking)とは「刺激希求性」という意味で、HSPの種類ではありません。

HSSはマービン・ズッカーマンが提唱した概念です。

エレイン・アローンは、HSPの中にHSSが存在すると言ったに過ぎません。

アーロン博士が、HSSについて言及した本は下記です(下記以外で言及しているものはありません)。

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刺激希求性は下記4つの尺度で構成されています。

  • スリルな体験を求める
  • 新奇な経験を好む
  • 退屈への敏感さ(暇であることを嫌う)
  • ルールや枠などの縛りから解放されたい

4つの尺度すべてに当てはまっているとHSSである──そう判断するためのものではありません。

日常生活において、どの尺度が強いのかを知ることで自分の特性を理解するひとつの視点となります。

例えば、まったくおなじ道を歩いて自宅に帰ることが安心できる人と、まったくちがう道を通ることが好きな人とでは、新奇な経験をどのくらい好むかのちがいとして認識しやすくなります。

単に「刺激を求めるからHSS」と判断している方が大半です。

より細かく日常を振り返りながら、刺激希求性のどの尺度が強い傾向にあるのかを知っていきましょう。

日本におけるHSSの認知

日本でHSPブームが起きたときに、セットでHSSも語られたため、HSPのカテゴリに入るものと誤解を受けたようです。

「私は、HSS型HSPだと思うんです」と言う人が、cocoanやクリニックにはたくさんいらっしゃいます。

あまりにたくさんの方がHSSを“HSPの種類”だと誤解しているので、初めての方には、HSPの概念と併せて詳しくお話しするようにしています。

HSPの中には一定数のHSSもいる

もしくは、

HSSの中には一定数のHSPもいる

というのが正しい捉え方です。

「HSS型HSP」は、メディア情報やネット記事から、会話の中で便宜上使われるようになったと考えられます。

最近では、トレーシー・クーパー博士が、HSS型HSPの研究を進めている現状もありますので、発展途上の概念であるともいえます。

Tracy Cooper, Ph.D(英語サイト)
https://drtracycooper.org/about/

HSPとHSSの関連

では、HSPとHSSは何がちがうのでしょうか?

それは2つの異なる神経システムから説明することができます。

HSPは「現状確認システム」が強く、何をするか決める前に、現状を知り、過去に似たことがなかったかを確認するため「時間をかけて深く処理」します。

HSSは「行動活性システム」が強く、「好奇心旺盛になり、探検したくなり、満たされると興奮」します。

現状確認システムはセロトニンで、行動活性システムに関わる主な神経伝達物質はドーパミンです。

つまりHSPとHSSの脳活性領域は完全に独立しており、伝達物質も異なるということです。

HSPとHSSの両方を合わせもつ人は「アクセルとブレーキを同時に踏んでいる人」などと表現されることがあります。

側から見るとまったく動いていない車でも、実際にはアクセルもベタ踏みしているので余分なガソリンを使っている状態です。

現実で表現するのであれば、難なくこなしているように見えても、内面ではしんどさを抱えている。

他人の評価と自分の評価に大きなギャップがある、ともいえます。

今いる環境、体調、気候変動等の条件が変わることで、表出する特徴も変わるため「私はHSP」「私はHSS」と限定することは、あまり意味がありません。

「HSSの傾向が強いようだ」「少しHSSの傾向がある」といったぐあいに、自己理解のツールとして使うことが大切です。

HSPとHSSの使い分け

すごく繊細で用心ぶかいんだけれど、気がつくと、どんどん行動していてあとで後悔することがよくある。

あなたがこんな人なら、HSPでありHSSも強い可能性が高いです。

アクセルとブレーキの使い分けをどうやったらいいか?

一人反省会のグルグル思考から逃れるにはどうしたらいいか?

それらを知るためには、自分自身の繊細さの特徴をつかんで、その対処法を編みだす必要があります。

アクセルとブレーキの両方を離す

そのためには、HSP(感受性の高さ)の度合いがつよい場面と、HSS(刺激希求性)の度合いがつよい場面を明確に分ける必要があります。

アクセルとブレーキを両方ベタ踏みをしている状況ならば、まずはゆっくりとアクセルを緩めるアクションをしていきます。

具体的に言えば、刺激希求性が強く出る具体的な場面を特定し、そこで何が起きているのかを知るということです。

無意識のうちに刺激を求め、気づいたら疲れ果ててしまう。

それを防ぐために、どの段階で刺激を求めすぎているのかを特定するワークを実施します。

特定ができて初めて、アクセルを緩めることができます。

アクセルを緩められたら、ブレーキも緩めることができます。

すなわち、刺激を意図的に拾う必要がないと気づき、力を抜くということです。

アクセルとブレーキの両方を離すことで、本来の静止状態になります。

ニュートラル(N)モードになって初めて、カーナビで目的地をセットしたり、座席やバックミラーなどの調整を行うことができます。

その状態になって、安全に運転ができて、アクセルとブレーキの本来の役割に立ち返っていくのです。

cocoanやクリニックでは、刺激追求と感受性の高さを混同させることなく、それぞれの出方を理解し、ステップ立てて対処していく仕組みを提案しています。

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